死神のマリアージュ
「おまえは“まだ客人”だから、うちのヤツに塩撒いてもらうこと。誰もいねえと思ったから俺が撒いてやろうと思ってたが。やっぱおまえ、強運の持ち主だな」
「え。なぜに?」
「初めての“お宅訪問”で俺の娘に塩を撒いてもらえたからだよ」
「あぁなるほど~」
「いらっしゃい、界人。私は父さんが言った意味がよく分からないんだけど」
「ありがと雅希。なんかジンクスみたいなもんじゃねえの?“予定外に会えて嬉しい”っていう。そうでしょ?頼雅さん」と界人に聞かれた父さんは、界人の顔を2・3秒じっと見た後、クスクス笑いながら「まあそういうことにしとくか」と言った。

「それより父さん」
「なんだよ」
「なんで界人と一緒なの。ていうか、なんで界人をうちに連れてきたの」
「こいつが“うちに来たい”って言うから連れてきた」
「頼雅さんが最初に“うち来るか”って聞いてくれたんだよ。俺、雅希が家にいるって知らなかったし。だから来て良かった!ってあ、そうだ。俺まだ“お邪魔します”って言ってなかった」
「こういうのを“天然”って言うのか」と真顔で聞いた父さんに、私は「うん」と言って頷いた。
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