死神のマリアージュ
「なんで“私が”ずるいの」
「おまえに先越されたから。俺が先に“好きだ”って言おうと思ってたのに。“確信したことその2”で」
「どっちが先でもいいじゃない。競争じゃないんだし」
「それもそうだな」
顔を見合わせていた私たちは、クスクス笑っていた。
でも不意に笑いを止めたのは、界人が先だった。
「雅希」
「・・なに界人」
「愛してる。俺・・おまえのこと、“好き”以上に愛してる」と界人に言われて、私は涙声で「・・・ずるい」と返すのが精一杯だった。
「えーっ!?なんで俺がずるいんだよー。こういう告白は、男の俺が先に言うもんだろ?」
「競争じゃないって言ったばかりでしょ」
「俺は競争してる気ねえもん」
「それに私は競争がずるいって言ってるんじゃないの」
「じゃあ何が、どうして、“俺がずるい”になるんだよ」
「こういう公共の場所で、いきなり告白することがずるいって言ってるの。人気が少ないからまだいいけど・・・」
「誰かに聞かれたら恥ずかしい?」と界人に聞かれた私は、顔を左右に振って否定した。
「おまえに先越されたから。俺が先に“好きだ”って言おうと思ってたのに。“確信したことその2”で」
「どっちが先でもいいじゃない。競争じゃないんだし」
「それもそうだな」
顔を見合わせていた私たちは、クスクス笑っていた。
でも不意に笑いを止めたのは、界人が先だった。
「雅希」
「・・なに界人」
「愛してる。俺・・おまえのこと、“好き”以上に愛してる」と界人に言われて、私は涙声で「・・・ずるい」と返すのが精一杯だった。
「えーっ!?なんで俺がずるいんだよー。こういう告白は、男の俺が先に言うもんだろ?」
「競争じゃないって言ったばかりでしょ」
「俺は競争してる気ねえもん」
「それに私は競争がずるいって言ってるんじゃないの」
「じゃあ何が、どうして、“俺がずるい”になるんだよ」
「こういう公共の場所で、いきなり告白することがずるいって言ってるの。人気が少ないからまだいいけど・・・」
「誰かに聞かれたら恥ずかしい?」と界人に聞かれた私は、顔を左右に振って否定した。