死神のマリアージュ
「つまりこれは“推し活”のようなものだと」「そのとおり!」
「“おしかつ”って何」
「簡単に説明すれば、ファンになったアイドルを応援すること。たとえばコンサート行って、この女子たちのように熱心で派手な声援を送るとか」
「応援小道具も必須だけど、界人くんは芸能人としてのアイドルとは違うからね」
「でもそのうちファンクラブ発足するかもよ」「ありえる~!」
「そのときはこの私が、マネージャーにならせていただきますから。雅希は引き続き、心配しなくていいからねっ」
「ちなっちゃん、実はやる気満々だ・・」「そういうの好きそうだもんねぇ」
「まだよく分かんない」「なにが」
「ファンを応援することのどこが“押し”なの」
「それはね、雅希。“推し”には“他の人にもおススメしたいくらいファンなんです!”という意味合いがあるからよ」
「“一押し”みたいな?」
「そっちの“押し”じゃなくて、“推薦する”の“推”の漢字ね」「ふーん」
「話がそれたけど、要するに界人くんにキャーキャー言う女子たちは、界人くんを恋愛対象としては見てないと、私は言いたかったのよ」
「あ、そう。私は心配してないけど」
「きたっ!この堂々たる態度!」
「これくらいのことで二人の愛の絆は揺らがないよね~」
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