死神のマリアージュ
「ねぇ雅希」「なに、まリア充」
「あのさ、ちょっとヘンなこと聞くけど」「うん・・」
「最近、雄馬くんと会ったか連絡取ったりした?」
「ゆうまくん・・・?って誰」
「えっ、そう来た!?」
「まりあが言ってるのは綿貫雄馬さんでしょ、特進2年の」
「あぁ、綿貫さんのこと。私、“綿貫さん”って呼んでるから名前知っててもすぐには思い浮かばなかった。えっと・・そういえば、あのときから綿貫さんとは会ってないな」
「“あのとき”って?」
「ウワサになったでしょ、一時期」「うん」
「もちろんウソのウワサだったけど、あのとき私、石を注文するために綿貫さんと会って、それ以来綿貫さんとは偶然でも会ってない」
「じゃあ最近雄馬くんから連絡来たか、雅希から雄馬くんに連絡してみた?」
「ううん。私は綿貫さんの番号知らないし、綿貫さんも私の番号知らないから」

そういえば、あのとき私が注文した石はどうなったんだろ。すっかり忘れてた。
でも私のほうは12月までに買えればいいから・・それより今はまリア充だ。
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