死神のマリアージュ
「白虎がまリア充のことを思って憤ることもわかるし、言ってることだって筋が通ってると思う。私だってもし彼にそんな仕打ちされたら、自分の存在意義を疑うレベルの大ショック受けると思うし」
「よるカレシいんのか」
「私が言いたいことはそこがポイントじゃない!話題がすり変わっちゃうでしょ!私が言いたいのは、もしかしたら綿貫さんには、そうせざるを得ない何らかの事情があるのかもしれないよってこと。だってさ、綿貫さんってそういうことする人じゃないでしょう?」
「確かにキャラ違うよね」「想像つかない」
「それに本人の口から何も聞いてない現段階では、どのウワサが真実なのかを知ってる人は、誰もいない」「本人以外はな」
「雅希と界人の言うとおり、これこそが現段階の真実であり事実だ」とヨッシーが言ったとき、忍と真珠が教室に戻ってきたのを機に、界人と私も自分の席に戻った。

「でもこの諸説から推測はできる」「たとえば?」
「退学説。息子が高校退学することを、都知事選に出馬しようとしている父親が果たして許すかな。今のところこの説を聞いた人が一番多いけど、俺は怪しいと思う。何より、一番雄馬さんらしくない選択という点では、これが一番疑わしいウワサじゃね?」
「なるほど。“世間体”ってやつか」
「しかも“都知事選に出馬しようとしている”議員さんってところが重要なポイントだよね。ただの議員さんレベルだったら、そこまで世間体を気にする必要はないと思うし」
「なおくんの考えは確かにあり得る」
「俺もそこまでは考えてなかったな。やっぱなお天才だわ!」
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