死神のマリアージュ
「ううん。私たちが教室に着いたときにはもう早退してた」
「そうなんだ・・。やっぱりショックだよね」
「てかここに限らず巷では、綿貫さんについてのいろんな説が流れてるな」
「そうみたい」
「もしかして・・“攪乱すること”が目的か」「それどういう意味」
「逆に真実を知られたくないのかもしれねってこと」

もし忍が言う「攪乱説」が“当たり”なら、綿貫さんは「実は」学園を退学していない可能性もあるし、転校・(海外)留学説も「違う」可能性だってある。
でも、この3つの説の中のどれかが正しい――事実であり真実――の可能性だって、まだ捨てきれない。
だとすれば、忍が言った「攪乱説」が、今のところは一番真実に近いような気がする。

綿貫さんが退学したのは私のせいだとはもう思ってないし、自責の念に駆られてもいない。
けどやっぱり気になる。綿貫さんのことだけじゃなくて、まリア充のことも。
だから私は界人と一緒に放課後、礼子さんの石屋「セレナ」に行った。
< 234 / 359 >

この作品をシェア

pagetop