死神のマリアージュ
「じゃあおまえにも分かっただろ?界人がおまえの“男”だって。神谷の(もん)にはそういうのが感覚で分かる。その感覚は信じていいぞ」
「・・・うん。あ、父さん」
「なんだ」
「礼子さんの紙に書いてある石屋さんに行ってもいい?界人と一緒に」
「それは構わんが、界人にバレてもいいのか?」
「プレゼントのことはもう界人に話してる。どの石かまではまだナイショだけど、その石を買いたいんじゃないの。お店の雰囲気とか石の品ぞろえとか質を見ておきたいのが第一の目的。礼子さんが推薦するなら間違いはないと思うけど、自分で見たうえでほしい子があったら買うかもしれない」
「分かった。人混みには気をつけること。それから行く日時は必ず事前に俺に知らせること。俺からの返事がくるまで店には行くな。それから絶対一人で行くんじゃねえぞ」
「了解」
「あとはそうだな・・雄馬くんたちのことだが、界人には俺から話しとく。と言ってもおまえに言ったことまでしか話せねえけどな。あいつはゼロ課の候補生だが正式なメンバーじゃねえし。だからおまえは誰にも口外するなよ」
「うん。ありがとう、父さん。あっ、あと忍は?」
「あー、あいつもおまえと同じクラスだったなぁ」
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