死神のマリアージュ
「そういえば・・」「ん?なんだ」
「私たちのクラスメイトと綿貫さん、って雄馬さんのことだけど。つき合ってるんだって」
「名前は」
「安倍まりあ。私はまリア充って呼んでる」と私が言うと、父さんは無表情に一つ頷いただけだった。

「まリア充にも話していい?綿貫さんと何日か前から突然連絡取れなくなったし、急に会えなくなったうえに、今日いきなり退学したことをウワサで知って今日は早退したんだ。それくらいショックだったってことだよ。すごく心配してると思うんだ。だから・・」
「安倍さんのところには父さんの“関係者”が事情を説明しに行った。だから今頃は“まリア充”も知ってるだろ。とは言っても、おまえと同じ情報しか伝えられてねえはずだが」
「それって“知ってる人は少ないほうがいい”ってことだよね」
「ああ。そのほうが犯人を割り出しやすくなる」
「そしたら事件も早く解決するんでしょ」
「ああ。だからおまえも協力しろよ」
「うん」
「忍にも俺から話しておく」
「うん。父さんありがと」
「これが俺の仕事だから。おまえは深入りするんじゃねえぞ」
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