死神のマリアージュ
でも父さんのチームの人が、私が父さんに聞いた話をまリア充にも伝えてくれてるはずだ。
それでもやっぱり今は、カレシが渦中の的になってる学園に来て授業を受ける気にはならないだろう。
もし私がまリア充の立場だったら私もそうする。
考えただけで気分が悪くなる・・ていうか「同じ立場」ってことは、「界人に何かあった」ってことになるよね。
それはイヤだ。そんなことは起こってほしくない。

さらに言うなら、「人が薄く視えること」だって、もう二度と起こってほしくないと切実に願ってるのに、お弁当を食べて教室に戻る途中で偶然見かけた近江先生が、また―――それとも「まだ」と言うべきなのか―――薄く視えた。

薄く視えた人は近江先生が三人目。
そして同じ人が続けて薄く視えたのは、近江先生が初めてだ。
でもそれは、薄く視えた過去の二人が、単なる通りすがりの知らない人だったからだろう。
ということは・・・もし同じ人を「また」見かけたら、その人(たち)は「まだ」薄く視えるのかな・・・。

確かめたい。けど確かめる方法がない。
それに確かめることが・・・怖い。
だって、「薄く視える意味(理由)」が分からないから。
だから私は確かめたくない。

だけど、「ほかにも薄く視える人がいるのか」を確かめる方法なら・・ある。
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