死神のマリアージュ
「あなたは本当に石が好きなのね。目がキラキラしてて嬉しそう。この子たちを使ってどういうアクセサリーを作るのかがもう分かってるみたい」
「実はもう完成形が視えてます」
「やっぱりそうなの?あなた、ええっとマサキちゃん、だったかしら」
「はい。神谷雅希です」
「雅希ちゃんは質の良い天然石を見極めることができる目を持っているから、きっとステキなアクセサリーを作る才能もあるはずよ」
「私、石のことは礼子さんに教えてもらったんです。だから礼子さんの師匠の松田さんに褒めてもらってホントに嬉しいです」
「まあ、そうだったの。礼子ちゃんのおかげであなたに出会うことができて良かった。これも不思議なご縁ね」
「はい。ありがとうございます」
私は透明のラッピング袋に収まった4粒のアクアマリンを優しく持ちながら、松田さんにニコッと微笑んだ。
「またいつでも来てねと言いたいところだけど・・実は私、今日が最後の出勤日なのよ」
「・・え?どうして・・」
「60半ばを過ぎた頃から体力と視力の衰えをしみじみ実感するようになってきてねぇ。重たい物を持つことも難儀になってくるし、小さくて細かい物も見えづらくなって。だから本当はね、70歳になったらお店を閉めて完全に隠居生活に入ろうと思っていたのだけれど、お客様からまだまだって引き止められてはそれじゃあって続けること、もう2年経っちゃったから」
「そうだったんですか・・・」
せっかくステキな人に出会えたのに、すごく残念だ。
「実はもう完成形が視えてます」
「やっぱりそうなの?あなた、ええっとマサキちゃん、だったかしら」
「はい。神谷雅希です」
「雅希ちゃんは質の良い天然石を見極めることができる目を持っているから、きっとステキなアクセサリーを作る才能もあるはずよ」
「私、石のことは礼子さんに教えてもらったんです。だから礼子さんの師匠の松田さんに褒めてもらってホントに嬉しいです」
「まあ、そうだったの。礼子ちゃんのおかげであなたに出会うことができて良かった。これも不思議なご縁ね」
「はい。ありがとうございます」
私は透明のラッピング袋に収まった4粒のアクアマリンを優しく持ちながら、松田さんにニコッと微笑んだ。
「またいつでも来てねと言いたいところだけど・・実は私、今日が最後の出勤日なのよ」
「・・え?どうして・・」
「60半ばを過ぎた頃から体力と視力の衰えをしみじみ実感するようになってきてねぇ。重たい物を持つことも難儀になってくるし、小さくて細かい物も見えづらくなって。だから本当はね、70歳になったらお店を閉めて完全に隠居生活に入ろうと思っていたのだけれど、お客様からまだまだって引き止められてはそれじゃあって続けること、もう2年経っちゃったから」
「そうだったんですか・・・」
せっかくステキな人に出会えたのに、すごく残念だ。