死神のマリアージュ
「ま、安倍ちゃんが学園を休み続けても、安倍ちゃん自身には何のメリットもないしね」
「確かに。勉強に遅れを取るし、下手すれば出席日数足りなくなるし」
「まりあちゃん、そんなにたくさん休むつもりだったの!?」
「まぁ、最初の2日くらいは“誰にも会いたくない”とか“何にもする気にならない”って状態だったけど、やっぱ2日が限度だね。私まだ16だし、ここで自分の人生を、こんな風に自分で終わらせていいわけないって。そう言った意味では、さっき白虎が言ったキャラ設定って案外合ってると思うんだ。引きこもってた間の私はカレシに振り回されてたから、悲劇のヒロインぶってる私に“酔いしれてた”わけだし。大体私はそういうキャラじゃないもんね。自分で自分に“こんな姿の私を見たら、雄馬くんじゃなくてもドン引きするわ”って何回もツッコミ入れちゃった」
「よく言った、まリア充!」
「今のまりあちゃんは、イイオンナ度が格段にアップしてるよ!」
「人生の荒波を乗り越えた感じだね」

みんながいろいろ言い合ってる間に、私は「まリア充にこれあげる」と言って、例のブレスレットを渡した。

「わぁ、キレイなブレスレット。これ雅希の手作り?」
「うん」
「まーは石が好きなんだ」
「あ。忍が来た」
「安倍ちゃんおっす」と言いながら手を挙げて挨拶する忍も、綿貫さんの事情を私と同じくらいに知ってるけど、そういう表情は私同様、全然出してないし、5日ぶりに会ったまリア充には昨日も一昨日も会ったような態度を取ってる。
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