死神のマリアージュ
「私がもらってもいいの?」
「もちろん。今のまリア充に必要な石だと思うから、常に身につけなくてもいいけど、なるべく身近に置いててあげて」
「了解。お守りみたいに使わせてもらうね。ありがとう、雅希」
「雅希って、天然石を使ったアクセサリー作ってるんだ」
「趣味でときどき」
「うわぁ、すっごくキレイだね~」
「これなんていう石?」
「水色のはアクアマリンで、黒っぽいのがスモーキークォーツ」
「どっちも透明感があってキラキラしてる」
「雅希さん、他にも石持ってるの?」
「うん」
「あ、クッキーが来た!」

よるちゃんの言葉を合図に、みんなが自分の席に戻り始めたとき、界人がやっと教室にやって来た。

「おはよっ!まさ・・あ。安倍ちゃん。おかえり!」
「“おはよう”、界人くん。まったく、雅希と同じこと言ってんだから。相変わらず仲良いんだね」
「うん」と言いながら照れてる界人に、「潔く認めた!」とか「やっぱカレシはこうでなくっちゃね!」とか、みんないろいろ言ってる(でも全部肯定的なコメントばかりだった)間に、担任の久喜(くき)先生――通称「クッキー」――が教室に来た。
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