死神のマリアージュ
「ただいま・・・」
「おかえり界人ちゃん」
「界人くんおつかれさま~」
「ごきげんよう、魁界人氏。本日も時間を要しましたね」
「今日は遠藤スミレ以外の女子からも告白されたの」
「いいや。雅希」
「なに」
「もし俺が女子につかまったときにおまえがそばにいるときはその・・できれば同席しててほしいなと・・・」
「“俺を置いて行かないで~!”ってやつ?」
「いやだってさ、俺が“カノジョいる”っていくら言っても相手は全然引かねえし!」
「ならばカノジョがいる眼前で断れば、効果は絶大ではないかと魁界人氏は考えたのですね?」
「うんまあ、そういうことだけど・・・やっぱいい。おまえは」「いいよ」
「・・・え。マジで?」

ちょっと驚いてる顔で私に確認する界人に、私は頷いて応えた。

「嫌じゃねえの?」
「良い気はしないと思う」
「だろ?だからいい。今の頼みは俺が間違ってた」
「私は界人が間違った頼みをしたとは思ってない。だから試しに一度やってみよ」
「その結果次第で、続行するか否かを決めてはどうかという提案ですね?神谷雅希女史」と言ったきよみ女史を肯定して、私は頷いた。
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