死神のマリアージュ
父さんが再び私の部屋に来たとき、私が父さんに話すと決意してから30分は経っていた。
しかも来たのは父さん一人だけじゃない。
・・・だから「父さんたち」が私の部屋に来るまで時間がかかったんだろうなと察しはつく。
父さんの「同伴者」を見た私は、また会えて嬉しいと思ったし、二人とも薄く視えないことに安心もしたけど・・それ以上に不安になったのも事実だ。
だって神谷家の中で一番霊力が高い頼人(らいと)叔父さん(は父さんのいとこだけど、面倒だから子世代はみんな「叔父さん」と呼んでいる)が来た、イコール父さんが頼人叔父さんを呼んだ、ということは自分の異変――人が薄く視えること――が「かなり深刻な事態」なのかもしれないと思ったから。
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