死神のマリアージュ
「そのとおり。そして一つの物事に対する可能性は一つではなく、無限にあります。その中から一つを選び、決めて、行動する。人生はその繰り返しで成り立っているんです。ところで雅希ちゃん、私が24歳のとき、37歳で死ぬビジョンを視たと、前に話したことを雅希ちゃんは覚えてる?」
「うん」
「24歳の私は、それでもこの力を世のため人のために役立てながら使い続けると決めました。その結果、もうすぐ50になる今でも元気に生きてるし、ソウルメイトの姫ともラブラブなのは、みなさんご存知のとおりです」
頼人叔父さんの言いかたが面白くて、つい私の顔がほころんだ。
けど一つの可能性に思い至った私は、ほころんでいた顔をすぐに引っ込めて、「あ」と言った。
「もしかして、寿命が垣間見えることは、私がたまに未来のビジョンが視えるようになったことと関係してるの」
「その可能性もあるということですよ。私は未来のビジョンが進化した形のようなものだと思ってますが」
「じゃあ私も・・・近いうちに死ぬのかな」
「まさかおまえ、自分が死ぬビジョンでも視たのか」
「い、一回だけ。でも私はそのビジョンを選ばないって決めたもん!」
「それでいいんですよ。さっき言ったでしょう?人は必ず死ぬと。だから死ぬビジョンが視えても視えなくても、“死ぬこと”は“絶対に、必ず当たる、確定事項”なんです。ただいつ死ぬか、どう死ぬのかは、たとえビジョンが視えたとしても、本当のところは――つまり、それが真実になるかどうかは――誰にも分からない。違いはそれだけです」
「うん」
「24歳の私は、それでもこの力を世のため人のために役立てながら使い続けると決めました。その結果、もうすぐ50になる今でも元気に生きてるし、ソウルメイトの姫ともラブラブなのは、みなさんご存知のとおりです」
頼人叔父さんの言いかたが面白くて、つい私の顔がほころんだ。
けど一つの可能性に思い至った私は、ほころんでいた顔をすぐに引っ込めて、「あ」と言った。
「もしかして、寿命が垣間見えることは、私がたまに未来のビジョンが視えるようになったことと関係してるの」
「その可能性もあるということですよ。私は未来のビジョンが進化した形のようなものだと思ってますが」
「じゃあ私も・・・近いうちに死ぬのかな」
「まさかおまえ、自分が死ぬビジョンでも視たのか」
「い、一回だけ。でも私はそのビジョンを選ばないって決めたもん!」
「それでいいんですよ。さっき言ったでしょう?人は必ず死ぬと。だから死ぬビジョンが視えても視えなくても、“死ぬこと”は“絶対に、必ず当たる、確定事項”なんです。ただいつ死ぬか、どう死ぬのかは、たとえビジョンが視えたとしても、本当のところは――つまり、それが真実になるかどうかは――誰にも分からない。違いはそれだけです」