死神のマリアージュ
結婚や同棲って、人生の大きな変化というか、とにかくすごく大事なことだと思うんだけど、うちではなんか、すごく曖昧っていうか・・・アバウトに決まる、ていうかまとまってるんだな・・・。

なんて思いながら首がカクンとなった私に、「疲れたんだろ」と父さんが言った。

「ねむい・・」
「今は眠りたいだけ眠ってください。それが浄化になりますから」
「そうだな」

父さんが私をベッドに寝かせてくれたとき、すでに私は熟睡していた。
だから私は知らなかった。
界人を「待たせていた」ことを。
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