死神のマリアージュ
ダイニングチェアに座って、銀兄ちゃんとしゃべっていた界人は、私を見つけるなり立ち上がって私のほうへを駆け寄ってきた。

「もう大丈夫なのか?」と聞いた銀兄ちゃんに私が頷くと、「じゃあ俺は席外す。界人、雅希のことよろしくな」と言った。

「はい」
「それから雅希」
「なに、銀兄ちゃん」
「さっき頼人叔父さんが言ってたことを思い出せ」
「え」
「ヒントはそこにある」
「ヒント?何それ。ていうか何のヒントなの」
「前にも言ったろ?持つのは“意思”より“意図”だって。プラス“認識”も。忘れるなよ」
「え?あ・・うん」

ていうか銀兄ちゃんは一体、私に何を言いたいんだろ。さっぱり分かんない。
それに言いたいことがあるなら私にも分かるように、ハッキリ言ってくれればいいのに。ヘンなの。
リビングから出て行った銀兄ちゃんの後ろ姿を見ながら、全然いつもの銀兄ちゃんらしくない・・・と、私は思っていた。
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