死神のマリアージュ
「あぁ?“二週間”って何の話だ」
「夢の話。ヘンなのに妙にリアルだった。それより来てるんだよね」と私は言った。

「誰が。それとも“何か”か?」
「界人。今うちにいるんでしょ」
「ああ、界人なら昨日からうちに来てるよ。“目を覚ました雅希に会うまでここにいさせてください!”って言うから、昨日はうちに泊まらせた。案外頑固なヤツだな、界人は。ま、もし俺があいつの立場でもそうするが」

最後のほうは嬉しそうな顔して言った父さんに、私は「そうだね」と答えた。
そのときの私の顔も嬉しそうになっていたはずだ。自分でも分かるくらい、口角が上がってたから。

「あいつは今、ダイニングにいると思うぞ。昼メシ食べてるか・・いや、もう食べ終わってるだろうな」
「あ、そう」
「早くあいつに会いたい気持ちは分かるが、浄化が先だ。ほら、水を飲め」
「あ・・うん」
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