死神のマリアージュ
毎回、妙にリアルだった夢では、体はそんなに動かしていなくても結構疲れが溜まってるというか・・まあ精神的な疲労(感)がほとんどだけど、結局、眠っていても夢の世界では“活動してた”から休めてない、という感じがする。
それだけに浄化の水を一口飲むたびに、体の中に染みわたるような・・・とにかく、一つまみの塩入りお水がとても美味しい。

私は浄化のお水をグラス二杯飲んだ。
おかげで実は乾いていた(お水を飲むまで自覚がなかった)喉も潤ったし、精神的な疲労感も少しは取り除けた。

「・・ありがと。ねえ父さん?」
「なんだ」
「界人には話したの。私に何が起こったのか・・霊力のこと」
「まだ話してねえよ。界人には“今日の――ってもう”昨日の話“になるが――フィジカルトレーニングに行けなくなった”と電話で伝えただけだ。とにかく昨日はあいつを乗せて連れてく約束してたからな、“トレーニングに行くなら他の足を当たれ”と連絡しておく必要があった。そしたらあいつ、“雅希はまだ白桃が好きですか?”って返事よこしやがってよ。ま、俺が言ったことからあいつなりに推理したんだろうな。さすがゼロ課の候補生・・おい雅希?どうした。すげー驚いた顔して」
「いやだって、今父さんが言ったことって、夢とほとんど同じなんだもん」
「へえ、そうか。じゃあそれは“ほぼ正夢”かもしれねえな」
「え・・」
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