死神のマリアージュ
「雅希ちゃんのお弁当、すっごく美味しそう・・・!あれ?忍くんと同じだ」
「そりゃあそーよ。まーが俺たちの弁当作ってくれてんだから」
「俺“たち”?・・あ、そういえば昨日、保健室で雅希ちゃんのお父さん?が言ってたよね。“忍くんと一緒に住んでる”みたいなこと」
「俺だけじゃなくて、俺らの父さんの兄弟の家族全員同居してるんだ。ちなみに俺は四人兄弟の次男坊で、俺の父さんは六人兄弟の五男なっ」
「父さんのお父さん、だから私たちのじーちゃんも一緒に住んでたよ。三年前に亡くなったけど」
「ばーちゃんは、俺らが生まれるかなり前に亡くなったから、俺ら子世代は誰も会ったことない」
「うわぁ。それでも大所帯だねぇ」
「うん。お弁当はいるって人の人数分作ってるから、毎日9人分くらいかな」
「えー!?すごーい!まるで食堂の人みたい!」
「そんなに大人数の弁当作るのは大変じゃね?」
「別に何種類もおかずを用意しないし、人数が増える分、作る量が増えるだけだから、そんなに大変だとは思わない。それに好きなの。料理とか掃除みたいに一人で黙々とできることが」
「まーは料理めっちゃ上手いんだぜ」
「未久おばさん、って忍のお母さんに料理教えてもらったり、たまにおばさんと一緒に作ったり・・はい、これ」と私は言いながら、きよみ女史に小さなタッパーをあげた。
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