死神のマリアージュ
「じゃあ頼人叔父さんたちは、いつもどうやって未来のビジョンを視ないようにしてるの?」
「“未来のビジョンは視ない”と強く意識するしかねえ。何度も自分に言い聞かせて暗示するようなもんだ。いずれにしても“強く”意識や意図するっていうのがポイントだ。自分が見たいと思う物事――つまり自分が強く意識や意図したこと――が、自分の現実として投影されるのがこの世のしくみだからな。それに頼人も昨日言ってただろ?“極力視たり感じたりしないように意識してるので”と・・雅希?」

『さっき頼人叔父さんが言ってたことを思い出せ』
『え』
『ヒントはそこにある』
『ヒント?何それ。ていうか何のヒントなの』
『前にも言ったろ?持つのは“意思”より“意図”だって。プラス“認識”も。忘れるなよ・・・』

意識と意図。プラス認識。
それからさっき界人が私に言った「気にし過ぎ」は、銀兄ちゃんから前に同じことを言われた。
そのとき銀兄ちゃんは「人は自分が見たいと思うことしか見ない」みたいな・・さっき父さんが言ったのと同じようなことを言った。
てことは、「正夢みたいな夢」に出てきた銀兄ちゃんの「役割」は、私にこのことを教えるため――?
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