死神のマリアージュ
そして今日は高等部の入学式。
だから父さんは、私が「また」、気分が悪くなるんじゃないかと心配してるのだ。
それこそ「実は気が気じゃない」レベルで。
というのも分かってるんだけど・・・。

「入学式と卒業式は気の種類が違うから」
「卒業は別れ。だから悲しい、寂しい気が多いのに対して、入学式は喜びの気に満ちている。新たな始まりや、出会いの期待ってのもあるしな」

期待と同時に「不安」も入り混じってることは、お互いに分かってる。
けど父さんと私は、あえて口には出さなかった。

「だから吐くまでには至らないと思う」
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