死神のマリアージュ
「体が柔らかいと身軽に動きやすくなるし、精神も柔軟になる。ていうか鍛錬しやすくなるんだよね、体と精神と霊力、全てはつながってるから」
「・・・雅希」
「なに?」
「武術習ってんのか」
「うん。今は父さんに教えてもらってる。これも家で、ときどきね。武術は身体だけじゃなくて精神のいい鍛練にもなるよ。それに集中力も養えるし、霊力をコントロールすることにも役立ってる」
「そっか・・。なあ、バスケとかサッカーみたいな球技系は好きか?」
「球技系は嫌いじゃないんだけど、基本的に私、誰かと組んでやる競技系スポーツは苦手なの」
「“団体戦”とか“連携プレイ”ってこと?」
「うん。私って協調性が欠けてるでしょ?」
「ええっ?そうかあ?おまえ、特進クラスのみんなとは仲良くやってんじゃん」
「それは長年のつき合いだからだと思う。それにボールめがけて人が寄ってきたり、試合とかで大勢の人の視線を集中的に浴びてしまうと、緊張の念とか不安の気をまともに受けてしまうから。そうなってしまうと、もうスポーツどころじゃなくなる」
「大変だな」
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