死神のマリアージュ
私が他人の気や念を受け取りやすい「受信機体質」であることは、界人も昔から知っていた。
気分が悪くなった子どもの頃の私を何度も見たことがあるから。
ただ4歳から6歳のときには「念」とか「気」とか「霊力」とか、「それらを受け取りやすい体質」がどういうことなのかという、「受信機体質の意味」までは理解できなかったと思うけど。

ただ、これから長くつき合う予定の友だちには、やっぱりある程度“事実”や“家庭の事情”を話しておいたほうがいいと思ったし(バレる形で知られるよりかは引かれる度合いは少ないと思う)、父さんからも「話していい」と許可を得た(神谷家では、うちのことや霊力のことは、「近くて深い関係者以外の他人」に口外してはいけないことになっている)ので、昨日の放課後の「再会記念祝賀会」で、界人には改めて、そして真珠と初対面の飛鳥さんには、初めて私の受信機体質のことを話したら、みんな結構あっさり、すんなりと受け入れてくれた。

それどころか、魁家の中でも界人のお父さんは、昔から神谷家のような「霊力者」と呼ばれる人たちを支援している「寄付者」だった。
寄付者はいろいろな形で霊力者を支援している人たちのことを指す。
大方の寄付者は「お金」で支援してるけど(そのため寄付者は経済界や財界に影響を及ぼすような大物が多い)、界人のお父さんは魁流という武術の創設者で、その魁流武術を霊力者に指導する形で、霊力者の支援をしていた。
どうやら父さんも昔(まだ界人たちが近くに住んでいた頃)は、界人のお父さんから武術指導をしてもらっていたらしい。
子どもたち同士だけでなく、親同士も交流があったんだ。
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