死神のマリアージュ
何を考えようが感じようが、その人の自由だ。
でもその人が思うエロい考えや嫉妬の感情を受け取ってしまう側からしてみれば、ホントに気分悪くなるほど辛くて苦しくて、しんどくなる。
だからそのエロ変態男子には悪い・・なんて、正直これっぽっちも思ってないけど、私はこらえきれずにその場でクスクス笑ってしまった。

「だから“脅して”はいません」
「あ、そ。でも界人なら絶対“的”外さないよね。“中学のときサッカーやってた”って昨日界人言ってたし。界人がキックした威力抜群なボールが当たったらさ、あいつ再起不能になると思う」
「まあそうなったらそうなったで、自業自得だな」と界人は言って、フンと鼻を鳴らした。

「これからもあいつらと一緒に体育の授業するときがあるんだから、相手も“やられる可能性がある”って分かっただろ。だからビビったんじゃね?俺も“的”は絶対外さない自信あるし。これに懲りて、雅希をエロい目で見ないようになればいいけどなあ」
「・・・界人」
「ん?」
「ありがとう。やっぱり界人は強いね」
「ええっ?俺が?そりゃあガキの頃に比べりゃ強くなったと思うけど、俺昔は弱っちいいじめられっ子だったって、雅希も知ってるだろ?」
「ううん」と言いながら、私は顔を左右に振って否定した。

「私が知ってる界人は、昔から強かったよ」





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