死神のマリアージュ
「照れなくてもいいのよぅ、雅希ちゃん。それより界人くん」
「はいっ?」
「あなた、まだキスしたことないの」
「えっ!」「オーナー」
「はいはい。これ以上いろいろ言うと訴えられるかもしれないから、もう止めときます」
「まったく。どっちが親か、ときどき分からなくなるよ。魁くん、母の不躾な態度をお許しください」
「いやいやそんな!俺は大丈夫です。イジられるのは慣れてるし」

界人のコメントに、思わず私はクスッと笑ってしまった。

「自覚あるんだ」
「そりゃそーだろ。でもさすがに今のをこれから毎回されるのはちょっと、免疫不足っていうか・・・」
「もうしないわよ」
「界人、天然」
「でも面白い子ね。界人くん、あなたには“可愛がられる素質”があるわ」
「オーナーがおっしゃること、分かります。あ、お二人とも、冷めないうちに紅茶をどうぞ」
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