死神のマリアージュ
「じゃあ・・・・・・・この子がいいので、差額だけでもお支払いします」
「レインボークォーツね・・うん。確かに今の雅希ちゃんにはピッタリな石だわ。もう私ったらうっかりしてた。この子のことを忘れてたなんて!」
「でも結局は今日、この子に引き合わせてくれました」
「うん、そうね、そうとも言えるわね。じゃあ差額はいらないから、この子を可愛がってやってちょうだい」
「え。でも・・・」
「いいのよ。私からのプレゼントってことにしといて」
「じゃあ。ありがとうございます、礼子さん」
「どういたしまして」
「あの、その代わり・・じゃないんですけど、この子を買いたいです」
「タイガーアイ?」と言う礼子さんに、私は頷いて応えた。

「この子を見たときから父さんにプレスレットを作ってあげようと・・・」

正確には、この子を使ったブレスレットを父さんがつけている「ビジョンみたいなもの」が、なんとなくだけど視えたような、思い浮かんだような気がした。
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