死神のマリアージュ
「私はトリプルをつけます」
「うん、よろしい!実はねえ、この子、他のクライアントに頼まれて仕入れたんだけど」
「あ・・じゃあ・・」
「でも不思議なことに、クライアントに自信を持って見せたら――私もね、この子にはトリプルAをつけたのよ――お気に召さなかったみたいでね。“私と釣り合うもっと質の良い石が欲しい”なんて言われちゃったの。まあクライアントがそうおっしゃったことも、分からないわけじゃあないんだけどね。この子は結構“クセ”が強く出てるから。でもちょっとガッカリしちゃったのも確か」
「要するに、人によってこの石の品質は、シングルになったりトリプルにもなるということです。この石に限ったことではありませんが、まま、あり得る実話なのが現状です」
「相性の問題ですね。その方とこの子は相性が合わなかった」
「そういうこと。結局選んでいるのは人じゃなくて石。石が持ち主を選んでいるのよ」
「すげえ・・・!石の世界はマジふけぇ!」
「でもそう考えると、この子は頼雅さんに身につけてもらうために、雅希ちゃんが来るのを待ってたのね。紫の箱を持ってきた雄馬、グッジョブ!」
「いえいえ。こちらこそ、今日も勉強させてもらいました」
「じゃあ、この子は私が買ってもいいんですね?」
「もちろんよ!タイガーアイはもう一度仕入れ直すから」
「良かった・・あ。そしたら今日はローズクォーツ一つしか買えない」
「じゃあおまえの代わりに俺が買おうか?おまえがイヤなら立て替えとくってことにしても良いじゃん」
「ありがと。でも界人、今お金持ってるの」
「・・・この子いくらですか」と聞いた界人が涙目になっていたのは・・・気のせいか。
「うん、よろしい!実はねえ、この子、他のクライアントに頼まれて仕入れたんだけど」
「あ・・じゃあ・・」
「でも不思議なことに、クライアントに自信を持って見せたら――私もね、この子にはトリプルAをつけたのよ――お気に召さなかったみたいでね。“私と釣り合うもっと質の良い石が欲しい”なんて言われちゃったの。まあクライアントがそうおっしゃったことも、分からないわけじゃあないんだけどね。この子は結構“クセ”が強く出てるから。でもちょっとガッカリしちゃったのも確か」
「要するに、人によってこの石の品質は、シングルになったりトリプルにもなるということです。この石に限ったことではありませんが、まま、あり得る実話なのが現状です」
「相性の問題ですね。その方とこの子は相性が合わなかった」
「そういうこと。結局選んでいるのは人じゃなくて石。石が持ち主を選んでいるのよ」
「すげえ・・・!石の世界はマジふけぇ!」
「でもそう考えると、この子は頼雅さんに身につけてもらうために、雅希ちゃんが来るのを待ってたのね。紫の箱を持ってきた雄馬、グッジョブ!」
「いえいえ。こちらこそ、今日も勉強させてもらいました」
「じゃあ、この子は私が買ってもいいんですね?」
「もちろんよ!タイガーアイはもう一度仕入れ直すから」
「良かった・・あ。そしたら今日はローズクォーツ一つしか買えない」
「じゃあおまえの代わりに俺が買おうか?おまえがイヤなら立て替えとくってことにしても良いじゃん」
「ありがと。でも界人、今お金持ってるの」
「・・・この子いくらですか」と聞いた界人が涙目になっていたのは・・・気のせいか。