毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
生意気言ってスミマセンと頭を下げると、しゃあねぇなと、頭をクシャッと撫でられた。これが正解なのかどうかは分からないけれど、微笑む昴さんを見て私も口元が緩んだ。
「走り込みは当たり前だが、後は最低限することは筋トレだな。基礎的筋トレは欠かせないし、体力は常に維持していなきゃいけない」
「は、はい!」
「つまり俺から言えることは……まあ、ほどほどに」
……あ、あれ? それだけ?
もっとこう、腹筋背筋、腕立て、走り込みの回数とか指示してくれているものだと思っていた。
我流のメニューで体を動かす。久々に体を動かし、汗だくになっている私に昴さんは水分補給、と、水を差し出してくれた。
昴さんの隣に座り一時休息を取る。
「なあ柏。女はすぐには戦闘機には乗れることはできないのは知ってるだろ。まず、輸送か救難に進むことになっている。もし、T−7練習機による初級操縦課程まで終えていたとしたら、おまえはどっちにいってた?」
「……え?」
戦闘機パイロットに憧れすぎて、それしか見ていなかった。