毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい

「死にに行く場所なんて言って、本当に悪かったと思ってるのよ。今度謝るから、また家に連れてきてちょうだい」

「――うん！」

　嬉しくなった私は、さっそく昴さんに連絡しようとスマホを手に取る。けれど、連絡先を交換していなかったことに今更気づいた。

　私、どうやって会えばいいの……昴さんも今頃、私と連絡先交換していなかったことに気づいているだろうか。


　翌日、パートが休みにも関わらず、いてもたってもいられない私はお店へと向かった。けれど昴さんの姿はなかった。

「果林ちゃん、今日お休みじゃなかった？」

　私の休みを心配してくれているおばさんに、

「急にごめんなさい。あの……昴さんはきてませんか？」

　――と、焦るように聞いてしまった。こんなんじゃ、何かあったんだなと悟られてもおかしくない。

「昴は昨日の夜中に家に来たんだけど、『今から戻る』って言われてね。あの子は本当にいつもいつも急なんだからー」

　フラッと戻ってくるから、あんまり気にしないでちょうだい、と、おばさんは慣れた口調で私に昴さんの経緯を教えてくれた。

　休み、まだ数日しか経ってないのに……