毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「本当に、大丈夫なんでしょうか? だって昴さん……」
「私も今回、帰ってきた理由は聞いてるのよ。でも、大丈夫よ。行ってくるって言われた時は、悩んでる顔はふっきれてたから」
「……そうなんですか」
――私はこんなに心配なのに、おばさんは何事もないようにケロッとしている。それだけ昴さんを信じているんだ。
「そうそう、昴が果林ちゃんに連絡先を、教えてくれって言われたから教えるわね」
よかった、昴さんも連絡先を交換していなかった事を気にしてくれていた。
おばさん伝えで昴さんの連絡先を聞き、ホッと息を吐くと、おばさんから「昴を気にかけてくれてありがとう。昴には果林ちゃんみたいな子が側にいてほしいって思ったの。お似合いだわ」と、何もかも見透かされているような笑顔を向けられた。
「……こちらがお礼を言う番なんです。昴さんには感謝してもしきれません」
深く頭を下げると、「もー、これだから自衛官はー」と笑われてしまった。
――私、ここで働けて良かった。