眠れる森の王子は人魚姫に恋をした
『…や。……あや。』
っん…。誰かに呼ばれてる…。
どうやらいつの間にか眠ってしまったようだ。
「文、今日は暖かいとは言え、ここでこのまま眠っていたら風邪をひくぞ。」
パーティが終わり航希が部屋に戻ってきたようだ。彼の優しく呼びかける声が心地よい。
「…航希。」
彼は床に膝をつき、テラスのソファーで眠っている私を覗き込みながら髪を撫でていた。
「おはよう、文。」
「おはよう…。いま何時?」
「15時半だ。パーティは無事に終わったよ。親父に大切な人がいるって話をしたら会いたがってた。」
「えっ!? まさかこの後ここに?」
「大丈夫、今日、会うことは無いよ。」
「…そう、良かった。」
今の言葉で一瞬にして目が覚めた。彼の父親ということはP・Kメディカルの社長だ。こんな寝ぼけた姿で会えるわけがない。
「それより、キスしていい?」
航希の言葉と共に顔が近づく。
きっとNoとは言わせないつもりなのだ。しっかりと彼の手が後頭部にまわっていた。
初心者な私に合わせた優しいキスを数回繰り返すと、次第に私の上唇をそっと航希の唇が挟み込む。
「もっと、大人のキスがしたい…。」
熱を帯びた航希の瞳から自分が彼に求められていることを感じた。今まで男性と関係を結んだことはない。初めての体験にドキドキしながらも恋愛映画のワンシーンを思い出しながら、そっと航希の首に両手を伸ばし自ら彼の唇に触れた。
「少し力を抜いて…。」
そう言うと航希は深く舌を絡めてきて、息も荒くなり耳に入るリップ音が淫らな音に変わる。
愛する幸せ。
愛される幸せ。
奇跡のような、愛し愛される幸せ。
やっと理解した感情に心が震えて涙が溢れて頬を伝う…。
涙に気付いた航希がキスをやめた。
「ごめん、俺、強引だった? 」
不安気な目で見つめられる。
「…違うの。」
何て伝えたら良いのか分からず、言葉に詰まってしまったが、急かさずにじっくりと待ってくれている航希の表情から更に愛情を感じる。
「…あのね、航希と出会えて幸せだなって思ったら涙が溢れてきたの…。」
わたしの言葉に航希は少し驚いた顔をしたが、照れと嬉しさの混ざった笑顔をみせ、再び深くキスをした。
「…俺も、今、すごく幸せだよ。」
航希は私の膝に掛けていたブランケットを手にすると『そろそろ外は冷え始めるから…』と言って部屋の中へ入るように進めた。
以前に比べるとだいぶ日が伸びたが、太陽が傾き始めるこの時間になると、部屋の間接照明の明るさが先程は対して気にならなかったのに、じんわりと目立ち始めていた。
「ねぇ、この部屋って休憩用なんでしょ?」
「あぁ、そうだが。」
「いつまでこの部屋使えるの?そろそろ出る支度した方が良い?」
「…文はいつまでいたい?」
「えっ?どーゆうこと?」
「部屋は……、明日まで使える。俺の下心がそうさせた。」
そう言うと、航希は私の腰に手を回し鼻と鼻をくっつけた。
「文が帰りたいなら家まで送るよ?」
「私が決めて良いの?」
「いいよ。文の為ならどんな事だって耐えてみせる。嫌われることはしたくない。」
そう言ってニコッと微笑む。
「私が家に帰ることがまるで航希に取って耐え難い事みたいに言うのね。」
「言ったろ?俺は下心でこの部屋をとったんだ。家に返したくないに決まってる。」
腰に回された手が背中を優しく撫で、口にされていたキスが首筋に移ると、ゾクゾクしてしまい無意識に声が漏れてしまった。
「んっ…。あぁ…ん、まって…。」
「帰りたくなった?」
「ううん、私も航希とこのままずっと一緒にいたい…。」
「俺、こないだみたいに何もしないではいられないよ?」
「うん…。わかってる…。ただ…航希と違って初めてだから……。」
「怖い?」
「こっ…怖いって言うか緊張しちゃって…。」
恥ずかしさのあまり顔を伏せてしまった。
「…可愛い。」
航希がギュッと私を抱きしめた。
「航希は私なんかで満足できるの?…本当にこのまま付き合っていて良いの?」
副社長でイケメンで仕事についても有能だと社員食堂に務める全く関りのない私の耳にまで入ってくる人だ。
それに対して私は容姿も体系も平凡で学生時代の成績だって常に上位にいたわけでもなく平均的だ。性格だって目立った特徴何てない。お金も、コネも、親だっていない。私と付き合って一体何の得になるのだろう…。
「こんなに一緒にいて居心地がいい女性は初めてなんだ。ずっとそばにいて欲しい…。」
抱きしめていた腕を緩め、ゆっくり私の手を取ると主寝室へと導き、二人でベッドの上に座る。
「…愛してる。このまま俺に任せて…。」
彼の言葉にうなずくと、ゆっくりと唇を重ねながらワンピースのファスナーを下ろされた。
っん…。誰かに呼ばれてる…。
どうやらいつの間にか眠ってしまったようだ。
「文、今日は暖かいとは言え、ここでこのまま眠っていたら風邪をひくぞ。」
パーティが終わり航希が部屋に戻ってきたようだ。彼の優しく呼びかける声が心地よい。
「…航希。」
彼は床に膝をつき、テラスのソファーで眠っている私を覗き込みながら髪を撫でていた。
「おはよう、文。」
「おはよう…。いま何時?」
「15時半だ。パーティは無事に終わったよ。親父に大切な人がいるって話をしたら会いたがってた。」
「えっ!? まさかこの後ここに?」
「大丈夫、今日、会うことは無いよ。」
「…そう、良かった。」
今の言葉で一瞬にして目が覚めた。彼の父親ということはP・Kメディカルの社長だ。こんな寝ぼけた姿で会えるわけがない。
「それより、キスしていい?」
航希の言葉と共に顔が近づく。
きっとNoとは言わせないつもりなのだ。しっかりと彼の手が後頭部にまわっていた。
初心者な私に合わせた優しいキスを数回繰り返すと、次第に私の上唇をそっと航希の唇が挟み込む。
「もっと、大人のキスがしたい…。」
熱を帯びた航希の瞳から自分が彼に求められていることを感じた。今まで男性と関係を結んだことはない。初めての体験にドキドキしながらも恋愛映画のワンシーンを思い出しながら、そっと航希の首に両手を伸ばし自ら彼の唇に触れた。
「少し力を抜いて…。」
そう言うと航希は深く舌を絡めてきて、息も荒くなり耳に入るリップ音が淫らな音に変わる。
愛する幸せ。
愛される幸せ。
奇跡のような、愛し愛される幸せ。
やっと理解した感情に心が震えて涙が溢れて頬を伝う…。
涙に気付いた航希がキスをやめた。
「ごめん、俺、強引だった? 」
不安気な目で見つめられる。
「…違うの。」
何て伝えたら良いのか分からず、言葉に詰まってしまったが、急かさずにじっくりと待ってくれている航希の表情から更に愛情を感じる。
「…あのね、航希と出会えて幸せだなって思ったら涙が溢れてきたの…。」
わたしの言葉に航希は少し驚いた顔をしたが、照れと嬉しさの混ざった笑顔をみせ、再び深くキスをした。
「…俺も、今、すごく幸せだよ。」
航希は私の膝に掛けていたブランケットを手にすると『そろそろ外は冷え始めるから…』と言って部屋の中へ入るように進めた。
以前に比べるとだいぶ日が伸びたが、太陽が傾き始めるこの時間になると、部屋の間接照明の明るさが先程は対して気にならなかったのに、じんわりと目立ち始めていた。
「ねぇ、この部屋って休憩用なんでしょ?」
「あぁ、そうだが。」
「いつまでこの部屋使えるの?そろそろ出る支度した方が良い?」
「…文はいつまでいたい?」
「えっ?どーゆうこと?」
「部屋は……、明日まで使える。俺の下心がそうさせた。」
そう言うと、航希は私の腰に手を回し鼻と鼻をくっつけた。
「文が帰りたいなら家まで送るよ?」
「私が決めて良いの?」
「いいよ。文の為ならどんな事だって耐えてみせる。嫌われることはしたくない。」
そう言ってニコッと微笑む。
「私が家に帰ることがまるで航希に取って耐え難い事みたいに言うのね。」
「言ったろ?俺は下心でこの部屋をとったんだ。家に返したくないに決まってる。」
腰に回された手が背中を優しく撫で、口にされていたキスが首筋に移ると、ゾクゾクしてしまい無意識に声が漏れてしまった。
「んっ…。あぁ…ん、まって…。」
「帰りたくなった?」
「ううん、私も航希とこのままずっと一緒にいたい…。」
「俺、こないだみたいに何もしないではいられないよ?」
「うん…。わかってる…。ただ…航希と違って初めてだから……。」
「怖い?」
「こっ…怖いって言うか緊張しちゃって…。」
恥ずかしさのあまり顔を伏せてしまった。
「…可愛い。」
航希がギュッと私を抱きしめた。
「航希は私なんかで満足できるの?…本当にこのまま付き合っていて良いの?」
副社長でイケメンで仕事についても有能だと社員食堂に務める全く関りのない私の耳にまで入ってくる人だ。
それに対して私は容姿も体系も平凡で学生時代の成績だって常に上位にいたわけでもなく平均的だ。性格だって目立った特徴何てない。お金も、コネも、親だっていない。私と付き合って一体何の得になるのだろう…。
「こんなに一緒にいて居心地がいい女性は初めてなんだ。ずっとそばにいて欲しい…。」
抱きしめていた腕を緩め、ゆっくり私の手を取ると主寝室へと導き、二人でベッドの上に座る。
「…愛してる。このまま俺に任せて…。」
彼の言葉にうなずくと、ゆっくりと唇を重ねながらワンピースのファスナーを下ろされた。