眠れる森の王子は人魚姫に恋をした
カフェに呼び出された日から数日後、航希はスイスから帰ってきた。帰ってきた週の平日に何度か食事誘われたが、平静を装う自信が無くて、なんだかんだ理由を付けて断ったいた。自宅に一人でいるのも怖くなって今は真希ちゃんの家にお世話になっている。真希ちゃんも健くんもその方が良いと言って快く受け入れてくれた。
「…あっ。」
夕食後にTVを観ていると、ソファーでリラックスしていた真希ちゃんがスマホを見るなり声を漏らす。
「どうしたの?」
言い辛そうに私をみた。
「施設仲間のグループトークなんだけど…。」
そう言われて自分のスマホを出して内容を確認した。
『施設の取り壊しが半年早まったらしい!!』
新しい情報をキャッチしたようで皆に知らせる内容だった。
「これってもしかして…。」
「違う!文のせいじゃない!たまたまだよ。」
真希ちゃんはそう言ってくれるけど、きっと、こないだ私が約束を破ったせいだ。犯人を捕まえるどころか取り壊しの時期を早めてしまった…。
航希との別れを催促するメッセージも毎回違う差出人から届いている。
「施設の取り壊しを止めてもらうためには、やっぱり航希と別れるしかないのかしら…。」
「自分の幸せを犠牲にするなんて絶対にダメ!別れる事を考えるくらいなら彼に直接相談しなよ!」
「…そうなんだろうけど。もし、航希に話すことでもっと悪い展開になったら。って、考えると話せなくて…。」
真希ちゃんが優しく抱きしめてくれた。
「いい?あや。まず、自分の幸せだけを考えて。施設が無くなったって私たちの絆は消えたりなんかしない。みんな家族のままだから。」
分かっている。分かっているのだが、手紙を送ってくる相手は施設一つ簡単に取り壊せる力を持ってた人物なのだ。きっと、相手が誰だかわかったところで無力のままの自分には変わりない。
施設が取り壊された後は?
もし、その後に仲間それぞれ個人を狙われるようになってしまったとしたら?
私は大切な家族を守れない…。
「そんなこと言っても、自分の幸せがみんなの不幸の元にあるのは耐えられない。」
「だから文のせいじゃないって。」
優しく頭を撫でてくれた。
「そうだ!今週末は何が何でも彼氏とデートしておいで!これ命令ね!」
「こんな状況でどんな顔して会えばいいか…。」
「出張から戻ってるのに、まだ一度も会ってないんでしょ?デートして彼からパワー貰っておいで!」
そう言うと真希ちゃんは私のスマホを操作して航希にメッセージを送った。
顔認証にしてあるので、インカメラを私に向けると簡単にロックが解除された。
『土曜日、時間がとれるなら会いたいです。』
「お泊りもしちゃいなっ!私の勝負服貸してあげるからっ!」
そう言うとクローゼットを開けて洋服を並べ始めた。
「お泊りって…。相手の都合だってあるだろうし…。」
「文は人の事を考えすぎ!もっと自分中心で良いんだよ!」
そう言うと、着せ替え人形の様にクローゼットから出した洋服をスタイリストにでもなったかのように私にあてはじめた。
「…あっ。」
夕食後にTVを観ていると、ソファーでリラックスしていた真希ちゃんがスマホを見るなり声を漏らす。
「どうしたの?」
言い辛そうに私をみた。
「施設仲間のグループトークなんだけど…。」
そう言われて自分のスマホを出して内容を確認した。
『施設の取り壊しが半年早まったらしい!!』
新しい情報をキャッチしたようで皆に知らせる内容だった。
「これってもしかして…。」
「違う!文のせいじゃない!たまたまだよ。」
真希ちゃんはそう言ってくれるけど、きっと、こないだ私が約束を破ったせいだ。犯人を捕まえるどころか取り壊しの時期を早めてしまった…。
航希との別れを催促するメッセージも毎回違う差出人から届いている。
「施設の取り壊しを止めてもらうためには、やっぱり航希と別れるしかないのかしら…。」
「自分の幸せを犠牲にするなんて絶対にダメ!別れる事を考えるくらいなら彼に直接相談しなよ!」
「…そうなんだろうけど。もし、航希に話すことでもっと悪い展開になったら。って、考えると話せなくて…。」
真希ちゃんが優しく抱きしめてくれた。
「いい?あや。まず、自分の幸せだけを考えて。施設が無くなったって私たちの絆は消えたりなんかしない。みんな家族のままだから。」
分かっている。分かっているのだが、手紙を送ってくる相手は施設一つ簡単に取り壊せる力を持ってた人物なのだ。きっと、相手が誰だかわかったところで無力のままの自分には変わりない。
施設が取り壊された後は?
もし、その後に仲間それぞれ個人を狙われるようになってしまったとしたら?
私は大切な家族を守れない…。
「そんなこと言っても、自分の幸せがみんなの不幸の元にあるのは耐えられない。」
「だから文のせいじゃないって。」
優しく頭を撫でてくれた。
「そうだ!今週末は何が何でも彼氏とデートしておいで!これ命令ね!」
「こんな状況でどんな顔して会えばいいか…。」
「出張から戻ってるのに、まだ一度も会ってないんでしょ?デートして彼からパワー貰っておいで!」
そう言うと真希ちゃんは私のスマホを操作して航希にメッセージを送った。
顔認証にしてあるので、インカメラを私に向けると簡単にロックが解除された。
『土曜日、時間がとれるなら会いたいです。』
「お泊りもしちゃいなっ!私の勝負服貸してあげるからっ!」
そう言うとクローゼットを開けて洋服を並べ始めた。
「お泊りって…。相手の都合だってあるだろうし…。」
「文は人の事を考えすぎ!もっと自分中心で良いんだよ!」
そう言うと、着せ替え人形の様にクローゼットから出した洋服をスタイリストにでもなったかのように私にあてはじめた。