眠れる森の王子は人魚姫に恋をした
航希から漂うビールの香りが鼻から脳に伝わったのか頭がぼんやりとしてくる。吸い付くような口づけから、いつの間にか舌と舌がが絡み合い互いの呼吸が乱れてくる。背中に回された手が器用に下着を外し、腰のあたりから入れられた手は直接肌に触れられると背筋をゾクゾクさせられた。
「…あや、お前にとって俺って対して重要じゃない?…俺ってどんな存在??」
唇以外の場所にキスを移しながら問いかけてくる。
「…んっ、…何でそんなことを聞くの??」
「出張のせいかな…。なんとなく距離を感じた…。」
謎の手紙の事を勘づかれないために敢えて会わないでいた事で、航希は私との距離を感じてしまったようだった。
3人が言う様に航希に手紙の事を話した方が良いのだろうか?
でも、そのせいで航希に何かされるようなことがあれば…。
答えの出ない葛藤が再び湧き上がるが、航希に求められる度にふわふわと頭から離れていく。
「航希…。愛してる。」
自然と零れ落ちた言葉に航希は満足そうな笑みを見せると手を止めた。
「俺も愛してる。」
言葉の後にたっぷりなキスをすると膝の裏に手を回して抱きかかえられた。
「寝室を案内するよ。」
大人が2人横に並んで歩けそうな階段を抱き抱えられながら2階へ上がると、廊下がまっすぐ伸びていた。コンクリートレンガのような壁に黒い部屋のドアがモダンな印象を与えている。
「主寝室のベッドが1番でかいんだけどな…。普段、親が使ってる部屋だから俺的に少し抵抗が…。少し狭いけれど、普段、俺が使ってる部屋でいい?」
親のいない私にはよく分からない感覚だが、子どもからすると親のものはどこかサンクチュアリ的な何かがあるのかもしれない。
「ここに来る時も言ったけれど、航希がそばに居てくれるならどこでもいい。」
と言ったものの急に恥ずかしくなって耳が熱くなり誤魔化すために航希の胸に顔を埋めた。
「…可愛いな。」
廊下を進んで1番奥の部屋の前で立ち止まり、ドアを開けて中へ入るとベッドの上で下ろされた。
ダークグレーの壁紙に囲まれた部屋にはクイーンサイズのベッドとソファが置かれていた。少し光沢のある紺色のベッドカバーは男性の部屋っぽさがあった。
この部屋のどこが狭いのだろう…。
部屋の電気がつけられると、天井に吊るされたシーリングファンも一緒に回りだす。
覆い被さるように私の上に来ると再び濃厚なキスが始まり、少しずつ服が脱がされ身体中に赤い痕が増えていく。
山奥にあるこの別荘は世間から切り離されてしまったんじゃないかと思うほど人の気配はなく、ただ風に揺れる木々の音だけが聞こえた。
このまま、時が止まってしまえばいいのに…。
送られてかる不審な手紙やメッセージの事、直ぐにでも閉鎖に追いやられてしまうのではないかと心配な施設のこと。
全てを忘れて戯れあっていたい。
そう感じた瞬間、切ない吐息と共に熱を帯びた航希が私の中に入ってきた。
「辛くない?」
「…うん。」
真希ちゃんが『彼からパワー貰っておいで!』と言っていた意味がやっと理解できた。
航希に愛されていると、幸せで満たされ、心が落ち着き、今まで不安に感じていた事、ずしりと重い気持ちが少し軽くなったような気がした。
彼と一緒ならどんな事でも乗り越えられるような気までしてきた。
「好きだ…。」
耳元で囁かれると動きは激しくなり唇と唇が重なると2人一緒に登り詰めた。
汗で濡れた航希の体が私から離れると、そのまま横にゴロンと仰向けに転がった。
「ヤバい…。こんなに気持ち良いの初めてだ。」
まだ呼吸が乱れている彼にくっついていると、ただ嬉しくて顔がニヤけていた。
「…あや、お前にとって俺って対して重要じゃない?…俺ってどんな存在??」
唇以外の場所にキスを移しながら問いかけてくる。
「…んっ、…何でそんなことを聞くの??」
「出張のせいかな…。なんとなく距離を感じた…。」
謎の手紙の事を勘づかれないために敢えて会わないでいた事で、航希は私との距離を感じてしまったようだった。
3人が言う様に航希に手紙の事を話した方が良いのだろうか?
でも、そのせいで航希に何かされるようなことがあれば…。
答えの出ない葛藤が再び湧き上がるが、航希に求められる度にふわふわと頭から離れていく。
「航希…。愛してる。」
自然と零れ落ちた言葉に航希は満足そうな笑みを見せると手を止めた。
「俺も愛してる。」
言葉の後にたっぷりなキスをすると膝の裏に手を回して抱きかかえられた。
「寝室を案内するよ。」
大人が2人横に並んで歩けそうな階段を抱き抱えられながら2階へ上がると、廊下がまっすぐ伸びていた。コンクリートレンガのような壁に黒い部屋のドアがモダンな印象を与えている。
「主寝室のベッドが1番でかいんだけどな…。普段、親が使ってる部屋だから俺的に少し抵抗が…。少し狭いけれど、普段、俺が使ってる部屋でいい?」
親のいない私にはよく分からない感覚だが、子どもからすると親のものはどこかサンクチュアリ的な何かがあるのかもしれない。
「ここに来る時も言ったけれど、航希がそばに居てくれるならどこでもいい。」
と言ったものの急に恥ずかしくなって耳が熱くなり誤魔化すために航希の胸に顔を埋めた。
「…可愛いな。」
廊下を進んで1番奥の部屋の前で立ち止まり、ドアを開けて中へ入るとベッドの上で下ろされた。
ダークグレーの壁紙に囲まれた部屋にはクイーンサイズのベッドとソファが置かれていた。少し光沢のある紺色のベッドカバーは男性の部屋っぽさがあった。
この部屋のどこが狭いのだろう…。
部屋の電気がつけられると、天井に吊るされたシーリングファンも一緒に回りだす。
覆い被さるように私の上に来ると再び濃厚なキスが始まり、少しずつ服が脱がされ身体中に赤い痕が増えていく。
山奥にあるこの別荘は世間から切り離されてしまったんじゃないかと思うほど人の気配はなく、ただ風に揺れる木々の音だけが聞こえた。
このまま、時が止まってしまえばいいのに…。
送られてかる不審な手紙やメッセージの事、直ぐにでも閉鎖に追いやられてしまうのではないかと心配な施設のこと。
全てを忘れて戯れあっていたい。
そう感じた瞬間、切ない吐息と共に熱を帯びた航希が私の中に入ってきた。
「辛くない?」
「…うん。」
真希ちゃんが『彼からパワー貰っておいで!』と言っていた意味がやっと理解できた。
航希に愛されていると、幸せで満たされ、心が落ち着き、今まで不安に感じていた事、ずしりと重い気持ちが少し軽くなったような気がした。
彼と一緒ならどんな事でも乗り越えられるような気までしてきた。
「好きだ…。」
耳元で囁かれると動きは激しくなり唇と唇が重なると2人一緒に登り詰めた。
汗で濡れた航希の体が私から離れると、そのまま横にゴロンと仰向けに転がった。
「ヤバい…。こんなに気持ち良いの初めてだ。」
まだ呼吸が乱れている彼にくっついていると、ただ嬉しくて顔がニヤけていた。