眠れる森の王子は人魚姫に恋をした
【Side:航希】
昨日はリンゴとスープを完食し、薬を飲んだあとに黒田に自宅まで送らせた。
一人暮らしの俺を心配し、泊まり込んで看病すると言い出したが、プライベートまで一緒に居たくないので断った。
朝起きると微熱は残ったものの、明らかに体調が良くなっていたが、黒田が休めと煩いので仕方なく午後から出社をすることにした。
フミってやつはあんな華奢なのによく俺をあの部屋まで運べたな…。
取引先から会社に戻ったまでは良かったが、エレベーターに乗りこもうとした瞬間、めまいに襲われた。
偶然に人が乗っていたから助かったが、誰もいないエレベーター内でひとり倒れていたらと思うと少し恐怖を感じた。
倒れこんだ時、あいつからいい匂いがしたなぁ…。
どこのブランド香水なんだ…?
声も優しくて忘れられん…。また、あの声を聴きたい。
嗅覚でも聴覚でもしっかりと記憶に残っているのに、顔だけはぼんやりとしていた。
熱のせいだな…。
社内の人間だろうから直ぐにまた会えるだろう…。彼女が見つかったら、お礼に食事のアポを取るように黒田に伝えておいた。
昨日はリンゴとスープを完食し、薬を飲んだあとに黒田に自宅まで送らせた。
一人暮らしの俺を心配し、泊まり込んで看病すると言い出したが、プライベートまで一緒に居たくないので断った。
朝起きると微熱は残ったものの、明らかに体調が良くなっていたが、黒田が休めと煩いので仕方なく午後から出社をすることにした。
フミってやつはあんな華奢なのによく俺をあの部屋まで運べたな…。
取引先から会社に戻ったまでは良かったが、エレベーターに乗りこもうとした瞬間、めまいに襲われた。
偶然に人が乗っていたから助かったが、誰もいないエレベーター内でひとり倒れていたらと思うと少し恐怖を感じた。
倒れこんだ時、あいつからいい匂いがしたなぁ…。
どこのブランド香水なんだ…?
声も優しくて忘れられん…。また、あの声を聴きたい。
嗅覚でも聴覚でもしっかりと記憶に残っているのに、顔だけはぼんやりとしていた。
熱のせいだな…。
社内の人間だろうから直ぐにまた会えるだろう…。彼女が見つかったら、お礼に食事のアポを取るように黒田に伝えておいた。