大変恐縮ではありますが、イケメン執事様と同居させていただいております。
Second Match◆秘密の夜のあぜ道で
「邪魔です、お嬢様」
「キャイン!」
お風呂上がりの聖司くんが、リビングの床で珍しく懸命に勉強していた私を足蹴にした。
時刻は21時をまわったところ。
「仮にもご主人に向かってなんてことするの、聖司くん!」
「は?」
「すんません」
聖司くんの冷たい目に簡単に屈した私はサッと立って道を開ける。
そこを堂々と通ってソファにドカッと腰かけ、長い足を組む聖司くん。
「あー……つっかれたー……誰かさんのせいで疲れたなー。あー、ほんとなんでこんなポンコツの子守を俺がしなきゃいけねんだろうなーつっかれたなぁー誰か肩揉んでくんねぇかなぁー!」
学校では優秀なトップ執事、家では超口の悪い王様系男子、それが聖司くん。
王子様ではない。王様だ。それも独裁主義の。
私は聖司くんの後ろ側に回ってお望み通り聖司くんの肩を揉んであげる。
「ごめんて聖司くーん。まぁ聖司くんはちゃんと評価されたんだからいいじゃん?」
「ペアで評価貰わねぇと意味ねぇんですよ、俺だけ最優秀でも仕方ねぇんですよお嬢様」