大変恐縮ではありますが、イケメン執事様と同居させていただいております。
咄嗟に振り向いた聖司くんが手を引っ張って、見事に抱きとめてくれた。



「……さーせん」



その距離感や触れてる部分を意識しちゃってドキドキしながら、なんて言って叱られるんだろう?と身構える。


「……くはっ」


聖司くんが、笑った。

それも私が見たことのない、無邪気な、少年っぽい屈託ない笑顔。



「もう少し可愛らしい悲鳴をあげたらどうです?」



……キュン。



「……?大丈夫ですか?」



ん?

きゅん?

いやいや……え?顔、熱……?


「……お嬢様」


いつもの不機嫌な顔つきになった聖司くんにハッとする。


「はやく自分で立ってください。重いんで」


ヒュンッ。

あ、これだよ!これ!


「ごめんごめん!あービックリした、なんか今バグってたわ。いやーうっかりうっか……り……」


……おや?


「……聖司くん」

「なんですか」

「えっと……こ、この手は?」


私の右手が、聖司くんの左手によってしっかりと握られている。
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