大変恐縮ではありますが、イケメン執事様と同居させていただいております。
「キャッ」
パシャッ。
会場の一角から小さな悲鳴が聞こえた。
見ると床に転んで執事に助けられているお嬢様がいる。
あれは……英恵さん?
「ちょっと、何するのよ!これ、高かったのよ!?」
そしてその向かいに立って金切り声をあげたのは、三年生の女の先輩。
この学園に多額の寄付をしていて、先生たちも大声で叱れないという噂のあるどっかの大企業の社長令嬢だ。
「で…でもぶつかってきたのはそちらで……」
「なによ、言いがかりをつける気?」
「いえ、そんなつもりでは……」
どうやら先輩にぶつかられた英恵さんのグラスが、先輩のドレスにかかってしまったようだ。