大変恐縮ではありますが、イケメン執事様と同居させていただいております。
「じゃあ清美坂さん。何かあったら電話してね」
「分かりました」
学校の医務室。
誰かに呼ばれた養護教諭の先生が外に出ていって、ドレスから制服に着替えた私は、水道で濡らしたタオルをギュッと絞る。
「…………ん」
「あ、目覚めた?聖司くん」
ベッドに横たわる気怠げな聖司くんの熱いおでこに、タオルをのせてあげる。
聖司くんはそれを目を閉じて気持ちよさそうにすると、はー…と息を吐いた。
「……俺、倒れました?」
「倒れました。凄い熱でした。具合悪いなら言ってくださいよ、まったくもー」
聖司くんの振る舞いがいつも通り完璧だったから、全然気が付かなかった。
聖司くんはいつも私のことに気がついてくれるのに…
自分の不甲斐なさにちょっと悲しくなりながら、ベッド横の椅子に腰かける。
「……どこからが夢でしょうか」
そう漏らす聖司くんはいつもより気怠げで、熱っぽくて……なんかエロいな、なんて考えちゃって。
病人相手になんてこと考えてるんだっ!とその煩悩を払うように私は首をブンブンと横に振る。