十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
「先生!」
勢いのまま挙手をした私は、立ち上がってサラを見つめた。
「サラ様に授業の進行を教える方が隣に居ないのは、どうかと思われます」
「確かにそうですね。エリーザさん、お願いしてもよろしいですか?」
「構いませんけれど、私よりも生徒会長も務めるクラウド様に任せた方が良いかと。校内の案内もクラウド様の方が知っていることも多いでしょうし、何よりサラ様には早く学校に慣れて頂きたいですから」
上手くまとめ上げられた気がするわ。先生も納得しているように頷いているし。
後は殿下、サラと上手にやって下さいませ。
ふふんと、勝ち誇った笑みを浮かべた直後、隣からもの凄い圧を感じる。恐る恐る隣に居る殿下を見れば、眉間にしわを寄せていた。
「クラウドさん、サラさんの隣にいいかしら?」
「……はい」
仕方なくといった様子で席を立った殿下は、一度だけこちらを見た気がするが一瞬過ぎて表情が見えなかった。