十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
友達ってこんなにも、むずむずするものなのかしら!!
「し、仕方ありませんわね!私が貴方に似合う、とびきりの衣装を見繕って差し上げますわ!」
殿下じゃあるまいし、サラの前でも何故か素直になれない自分に恥ずかしくなる隙も与えずサラが、私の腕をぎゅっと抱きしめてきた。
こうしてお茶会が開催される日まで私とサラは放課後を使って、衣装選びに花を咲かせた。
最高にサラが可愛く彩る淡いピンク色のドレスを見つけ、今度は私からプレゼントするとサラは可愛らしく笑顔を見せてくれた。
令嬢として身につけておいた方がいい作法なんかも、時間を見つけて教え込むと、元々頭の良いサラは、あっという間に教えた事全てを身につけていった。
そうしてやって来た、お茶会当日。
少し早く私の家に来てもらって使用人達に更に可愛く化粧を施させ、まるでお人形のように愛らしくなったサラを連れて私は王宮へと向かった。
会場となる庭園には綺麗な薔薇が咲き誇り、心を和ませる良い香りが自ずと胸いっぱいに広がって行く。
「いよいよね」
今回のお茶会はサラとの親睦会も兼ねているもので気の張った空気感はないが、社交界デビューを果たしていないサラにとっては、まだ緊張が隠せないようだ。