網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。
意地悪な優しさ。
「ねー聞いた?」
「なにー?」
「春夜が彼女つくったってー」
「マジ!?」
――網川。
サラサラの黒髪。
少し気崩した制服。
私と同じ有名私立の中学校だったという、主に財力と学力の象徴であるそのレッテル。
授業じゃ殆ど寝てる無気力さ。
なのにテストで毎回一位をとるその学力。
加えて学校一と言われるその容姿。
・・・私以上の優良物件。
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意地悪な優しさ。