網川君の彼女は、お値段の張る“ユーリョーブッケン”。
だけど毎日はそんなことにはお構いなしに流れていく。
私も、吹っ切って頑張ろうと思った。
だけど人生で最大の苦難は、そう簡単にその枷を外してくれはしないらしい。
もういいやと思って高校からは髪の毛を元に戻して、マスクをするのもやめた。
髪の質は徐々に戻っていって、サラサラになった。
自分で言うのも何だけど、平凡ではないこの憎たらしい顔面の偏差値は成長すると共に比例して上がっていた。
――だから。
私には一部で、渾名がついた。
――“ユーリョーブッケン”。
有名私立の出で容姿も良い。テストも毎回学年5位以内に入っている、いわゆる好条件の女。
一方で、付き合うためにはレベルの高すぎる条件を提示してくる。
それに・・・そういうことを目的にしてそうな人からの告白には、もともとついていかないようにしてるから、
真面目な人がショックを受けるという構図が量産されてる状況。
これが私の渾名の由来だ。