約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される
「四鬼病院?」
【さて病院に行こう。僕の家、病院を経営していてね、少し距離はあるけど車で送っていく】
あの時、四鬼さんが言っていた。先生の言う病院だろう。
「先生も四鬼さんもどうしてこんなに親切なんですか? わたしは学園の生徒じゃないし、良くして貰う理由が分かりません」
「困っている人が居れば助けるのは当たり前でしょう? 私で力になれるなら手を貸したいのです」
「じゃあ困っている全員、親切にするんです?」
カウンセラーという立場上、奉仕精神をより宿しているにしろ、いち生徒に対しての配慮が行き過ぎている。
正直怪しく、身構えてしまった。
「あらら、また警戒させてしまいましたか。手強いですね。しかしながら、ここで校訓を持ち出す方が疑わしいと思いまして……」
「校訓?」
「【鬼と桜は縁深い】、鬼月学園では桜を大切にしています。だから浅見さんに親近感を覚えました」
「え? 桜ってーーもしかして、わたしの名前のことを言ってます?」
「はい、そういう事になります。簡単に言えば桜はラッキーアイテムでして、桜を模した物を身に付ける生徒も沢山おりますよ。校章も桜の花弁なのです」
「……いや、それはこじつけですよ」
「引いてます?」
わたしは頷いた。
【さて病院に行こう。僕の家、病院を経営していてね、少し距離はあるけど車で送っていく】
あの時、四鬼さんが言っていた。先生の言う病院だろう。
「先生も四鬼さんもどうしてこんなに親切なんですか? わたしは学園の生徒じゃないし、良くして貰う理由が分かりません」
「困っている人が居れば助けるのは当たり前でしょう? 私で力になれるなら手を貸したいのです」
「じゃあ困っている全員、親切にするんです?」
カウンセラーという立場上、奉仕精神をより宿しているにしろ、いち生徒に対しての配慮が行き過ぎている。
正直怪しく、身構えてしまった。
「あらら、また警戒させてしまいましたか。手強いですね。しかしながら、ここで校訓を持ち出す方が疑わしいと思いまして……」
「校訓?」
「【鬼と桜は縁深い】、鬼月学園では桜を大切にしています。だから浅見さんに親近感を覚えました」
「え? 桜ってーーもしかして、わたしの名前のことを言ってます?」
「はい、そういう事になります。簡単に言えば桜はラッキーアイテムでして、桜を模した物を身に付ける生徒も沢山おりますよ。校章も桜の花弁なのです」
「……いや、それはこじつけですよ」
「引いてます?」
わたしは頷いた。