約束された結婚ーー鬼の花嫁は初恋相手と運命の相手に求婚される
「そうだ! 雑誌、ありがとう」
机にスケジュール帳とサッカー関連の資料を並べる。色々と立て込んで揃えられなかったのを見兼ねた涼くんが貸してくれたのだ。
「お前でも分かりやすいのを選んでやった。これを機会にルールぐらい覚えろよ。覚えたら一緒にサッカー観ようぜ」
言うと涼くんは教室を出ていく。周囲の注目を全く気にしていない。
「夏目君って優しいよね」
涼くんと入れ違いで高橋さんが席へやってくる。
「昨日はごめんなさい。まさか四鬼さんと知り合いとは思わなくて。浅見さんって顔が広いのね? 他に有名人の知り合いはいるの?」
反省を伴っていないにしろ、先に謝られてしまえば会話に応じるしかないか。
「こちらこそ、ごめん。有名人の知り合いなんていない。それより授業始まるよ? 行かなくていいの?」
予鈴が鳴るも高橋さんに移動する気配はなく、それどころか前の席へ腰掛け、窓の向こうを眺めた。
「あたしもサボるの。生理痛がひどくて体育なんかやりたくない。ここで男子のサッカー見てようかなって」
「わたしはサボってる訳じゃない」
「聞いた。身体が弱いんでしょ? 浅見さん、顔がいっつも白いもんね。華奢でお人形みたい。いかにも男子が好きそうなタイプ」
机にスケジュール帳とサッカー関連の資料を並べる。色々と立て込んで揃えられなかったのを見兼ねた涼くんが貸してくれたのだ。
「お前でも分かりやすいのを選んでやった。これを機会にルールぐらい覚えろよ。覚えたら一緒にサッカー観ようぜ」
言うと涼くんは教室を出ていく。周囲の注目を全く気にしていない。
「夏目君って優しいよね」
涼くんと入れ違いで高橋さんが席へやってくる。
「昨日はごめんなさい。まさか四鬼さんと知り合いとは思わなくて。浅見さんって顔が広いのね? 他に有名人の知り合いはいるの?」
反省を伴っていないにしろ、先に謝られてしまえば会話に応じるしかないか。
「こちらこそ、ごめん。有名人の知り合いなんていない。それより授業始まるよ? 行かなくていいの?」
予鈴が鳴るも高橋さんに移動する気配はなく、それどころか前の席へ腰掛け、窓の向こうを眺めた。
「あたしもサボるの。生理痛がひどくて体育なんかやりたくない。ここで男子のサッカー見てようかなって」
「わたしはサボってる訳じゃない」
「聞いた。身体が弱いんでしょ? 浅見さん、顔がいっつも白いもんね。華奢でお人形みたい。いかにも男子が好きそうなタイプ」