【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「ペン? 私が書くのかい? もしかして私の名前かい?」
「──っ!! (はいっ!)」

 私は何度も何度も頷き紙をラルスさまの前に差し出します。

「私の名前は、こう書くんだ」

 さらさらと書かれた文字。
 私は嬉しくてその紙を抱きしめました。

「ふふ、そんなに喜んでもらえてうれしいよ。よかった」

 私は何度か自分の名前とラルスさまの名前を書いて綺麗にかけるように頑張りました。
 そうして少しずつ言葉を書けるようになっていったのです──



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