【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

第6話

 エリー先生とのマナー練習が終わった私は、ランチを食べて戻ってきてもなんだか落ち着かなくてお部屋の中をうろうろ、うろうろしていました。
 テーブルに置いてあるコップの水を一気に飲み干し、ベッドの端にわずかに体重をかけて座ります。


『来月の社交界デビューに向けて一気に練習していくわよ!!』


 エリー先生の言葉が頭の中で響いては、どうしましょうとそわそわしています。
 来月ってもう今月は7日も過ぎてますし、あと何回練習ができるんでしょうか。
 いえ、考えている場合じゃありませんね。今すぐにでも練習に取り掛からないと……!

 私はベッドから勢いよく立ち上がると、そのままお部屋の真ん中で今日教えていただいたご挨拶のマナーを何度も繰り返し練習していきます。

 う~ん。エリー先生のお手本はもっとこう、腕が綺麗に伸びていて……。
 私は大きな鏡の前で自分の動きを確認しながらやっていきます。
 もっとドレスも綺麗にひらっと動いてて、う~ん?

 何度も同じ動きをしますが、エリー先生のようにできません。
 動きにしておよそ5秒にも満たないのに、それなのにうまくできないんです。

 そんな練習をしている途中で、いきなりドアのほうから声がしました。
< 38 / 131 >

この作品をシェア

pagetop