想いが届きますように


『ダメ』



そう言って、キュッ、とあたしの手を握ったのは…海斗。



「か…『今は、俺らご飯食ってるからダメ』



そして、あたしを見ると…



『な?都稀』



優しく微笑んで、問いかけた。



トクン…



「…うん。槇くん、ごめんね」



『あっ…だよね、ごめん。じゃあ、放課後…教室残ってて』



槇くんはそれだけ言うと、自分の席に戻っていった。



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