崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
(13)ネコ・猫パニック
母・祥子とともに支度の整ったお茶と茶菓子を応接間へと運ぶことにする。
茶請けには母親が予め用意してくれていた色とりどりの金平糖をガラスの小皿に載せた。
袋から器に取り分ける際、金平糖が皿の上で小さく跳ねてカラカラと涼やかな音を立てるのが心地よくて。
作業がとっても楽しかった天莉だ。
桜茶はほんのりとし塩味のある薄茶なので、茶請けは金平糖や落雁、砂糖コーティングされた豆菓子などのような干菓子系が合う。
桜茶の入った湯飲みに湯蓋をして茶托に載せたものは祥子が運ぶと言うので、天莉は金平糖を取り分けた小皿が載った盆を手に母の後へ続いた。
***
「あら、バナナちゃん、高嶺さんの上で気持ち良さそうね」
手にしていた品々を各自の前に出し終えて盆を横に避け置いてから着座すると、祥子が開口一番バナナに視線を向けて。
「バナナちゃぁーん、ママの所においでー。ほらほら、こっちよー?」
ポンポンとひざを叩きながら懸命にアプローチをしたのだけれど、尽に喉を撫でさすられてご満悦のバナナは、祥子からの猫なで声をスルーした。
「《《わし》》もさっきから呼んでみてるんだがな。バナナのやつ、よっぽど高嶺さんのことが気に入ったのか完全無視を決め込んどるんよ」
父・寿史がどこか残念そうに母へ説明して。
天莉は、そんな両親に「彼、猫たらしさんなの。誰も敵わないと思う」とつぶやいて、尽に抱かれたバナナの頭にそっと触れてみる。
茶請けには母親が予め用意してくれていた色とりどりの金平糖をガラスの小皿に載せた。
袋から器に取り分ける際、金平糖が皿の上で小さく跳ねてカラカラと涼やかな音を立てるのが心地よくて。
作業がとっても楽しかった天莉だ。
桜茶はほんのりとし塩味のある薄茶なので、茶請けは金平糖や落雁、砂糖コーティングされた豆菓子などのような干菓子系が合う。
桜茶の入った湯飲みに湯蓋をして茶托に載せたものは祥子が運ぶと言うので、天莉は金平糖を取り分けた小皿が載った盆を手に母の後へ続いた。
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「あら、バナナちゃん、高嶺さんの上で気持ち良さそうね」
手にしていた品々を各自の前に出し終えて盆を横に避け置いてから着座すると、祥子が開口一番バナナに視線を向けて。
「バナナちゃぁーん、ママの所においでー。ほらほら、こっちよー?」
ポンポンとひざを叩きながら懸命にアプローチをしたのだけれど、尽に喉を撫でさすられてご満悦のバナナは、祥子からの猫なで声をスルーした。
「《《わし》》もさっきから呼んでみてるんだがな。バナナのやつ、よっぽど高嶺さんのことが気に入ったのか完全無視を決め込んどるんよ」
父・寿史がどこか残念そうに母へ説明して。
天莉は、そんな両親に「彼、猫たらしさんなの。誰も敵わないと思う」とつぶやいて、尽に抱かれたバナナの頭にそっと触れてみる。