崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
「――そう言えば私の住んでるアパート近くにね、何度顔を合わせても全然寄って来てくれない外猫ちゃんがいたの。でも、常……じ、んを見かけた途端駆け寄って来て当然のようにすり寄るんだもん。あれには正直妬けちゃったなぁ」
バナナが、天莉から撫でられるのが不服みたいにフイッと顔を背けるのを見て苦笑したら、尽が即座に「キミが妬けたのは猫に対して? それとも《《俺》》に対して?」と続けてきた。
その言葉に、天莉は思わずすぐ隣に座る尽を見て。
存外近い距離でにっこり微笑まれたことにドギマギしてしまう。
「ふふっ。天莉ちゃんは本当に高嶺さんのことが好きなのね」
その様子を見て祥子がそんなことを言って笑うから。
天莉は「お母さん!」と母をたしなめながら、心の中で密かに(ごめんなさい、偽装なんです)と付け足した。
尽はそんな祥子に、「《《私》》も彼女を想う気持ちに関しては天莉さん自身にだって引けを取るつもりはありませんがね」だなんていけしゃあしゃあと答えるから。
天莉は(冗談が過ぎます、高嶺常務!)と思わずにはいられなかった。
***
「そういえば高嶺さんは娘の前だと〝俺〟なんですね」
寿史の言葉に、天莉は尽の《《化けの皮》》を剥がされたみたいな気持ちがしてドキッとしたのだけれど――。
バナナが、天莉から撫でられるのが不服みたいにフイッと顔を背けるのを見て苦笑したら、尽が即座に「キミが妬けたのは猫に対して? それとも《《俺》》に対して?」と続けてきた。
その言葉に、天莉は思わずすぐ隣に座る尽を見て。
存外近い距離でにっこり微笑まれたことにドギマギしてしまう。
「ふふっ。天莉ちゃんは本当に高嶺さんのことが好きなのね」
その様子を見て祥子がそんなことを言って笑うから。
天莉は「お母さん!」と母をたしなめながら、心の中で密かに(ごめんなさい、偽装なんです)と付け足した。
尽はそんな祥子に、「《《私》》も彼女を想う気持ちに関しては天莉さん自身にだって引けを取るつもりはありませんがね」だなんていけしゃあしゃあと答えるから。
天莉は(冗談が過ぎます、高嶺常務!)と思わずにはいられなかった。
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「そういえば高嶺さんは娘の前だと〝俺〟なんですね」
寿史の言葉に、天莉は尽の《《化けの皮》》を剥がされたみたいな気持ちがしてドキッとしたのだけれど――。